My Dying Bride「Turn Loose The Swans」 [レビュー（Ｍ）]
二月病にかかってました
My Dying Bride「Turn Loose The Swans」
Track List
1. Sear Me MCMXCIII
2. Your River
3. The Songless Bird
4. The Snow In My Hand
5. The Crown Of Sympathy
6. Turn Loose The Swans
7. Black God
イギリスの絶望ゴシックメタルバンド、My Dying Brideの2nd。1993年作。
自分で勝手に考えるゴシック四天王の一角（残りはParadise Lost、Anathema、Katatonia）。メタル界隈の四天王で真っ先に思いつくのはスラッシュ四天王ですが、My Dying Brideはスラッシュ四天王でいうSlayer的な位置づけでしょうか。大衆化などには目もくれず、ひたすらゴシックの極北を突っ走るバンドです。
そんな彼らの一つの到達点といえるのがこの作品。遅・重・鬱の三拍子そろった驚異の絶望サウンド。生きる気力を根こそぎ奪い取られていくのを感じることができる貴重な作品です（何
ああ、こうしている間にも、自分は確実に棺桶に向かっているんだなぁ（何
サウンドのほうですが、基本的には上に書いた通り遅・重・鬱な音で、ゴシック・ドゥームみたいな感じ。最近ひそかなトレンド（？）になっているデプレッシヴブラックとかスイサイダルブラックみたいなバンドとは異なり、「美」に対するこだわりが尋常じゃないあたりがうれしい。ヴァイオリンの固定メンバー（のちに脱退してしまいましたが…）を配置し、要所要所で大きくフィーチャーしているのをはじめ、ギターやキーボード、ボーカルのメロディーラインも非常に美しいものです。まあ、それ以上に暗いんだけどね。
ドゥーム成分も強いので、少し前にデビューしているCathedralとの類似点も感じたり感じなかったり。
CDを流すと、頭から暗黒のピアノとバイオリンで世界は一気にモノトーンに。悪魔がささやいているかのようなボーカルに体温が奪われていくのを感じます。
全体的に非常にゆっくりな進行なのですが、その中でもテンポチェンジが頻繁に行われ（死者の行進から完全な停滞まで）、時間の流れすらかき乱されていきます。
そうして原形すらとどめなくなった精神に降り注ぐ、終曲「Black God」の絶望的なまでの美しさ。「そこにいるのはあなただけです」と宣言されたかのような、奇妙な心地よささえ感じます。
とまあそんな感じで、光のない耽美な世界に酔い痴れてみたい方は是非に。
全部貼りたいところだけど、適当に選んどきます
My Dying Bride 「Sear Me MCMXCIII」
時すら淀む黒白の世界へ。
My Dying Bride 「Your River」
My Dying Bride 「The Crown Of Sympathy」
My Dying Bride 「Black God」
自分が死ぬ瞬間にはこの曲を聴いていたい
My Dying Bride「Turn Loose The Swans」
Track List
1. Sear Me MCMXCIII
2. Your River
3. The Songless Bird
4. The Snow In My Hand
5. The Crown Of Sympathy
6. Turn Loose The Swans
7. Black God
イギリスの絶望ゴシックメタルバンド、My Dying Brideの2nd。1993年作。
自分で勝手に考えるゴシック四天王の一角（残りはParadise Lost、Anathema、Katatonia）。メタル界隈の四天王で真っ先に思いつくのはスラッシュ四天王ですが、My Dying Brideはスラッシュ四天王でいうSlayer的な位置づけでしょうか。大衆化などには目もくれず、ひたすらゴシックの極北を突っ走るバンドです。
そんな彼らの一つの到達点といえるのがこの作品。遅・重・鬱の三拍子そろった驚異の絶望サウンド。生きる気力を根こそぎ奪い取られていくのを感じることができる貴重な作品です（何
ああ、こうしている間にも、自分は確実に棺桶に向かっているんだなぁ（何
サウンドのほうですが、基本的には上に書いた通り遅・重・鬱な音で、ゴシック・ドゥームみたいな感じ。最近ひそかなトレンド（？）になっているデプレッシヴブラックとかスイサイダルブラックみたいなバンドとは異なり、「美」に対するこだわりが尋常じゃないあたりがうれしい。ヴァイオリンの固定メンバー（のちに脱退してしまいましたが…）を配置し、要所要所で大きくフィーチャーしているのをはじめ、ギターやキーボード、ボーカルのメロディーラインも非常に美しいものです。まあ、それ以上に暗いんだけどね。
ドゥーム成分も強いので、少し前にデビューしているCathedralとの類似点も感じたり感じなかったり。
CDを流すと、頭から暗黒のピアノとバイオリンで世界は一気にモノトーンに。悪魔がささやいているかのようなボーカルに体温が奪われていくのを感じます。
全体的に非常にゆっくりな進行なのですが、その中でもテンポチェンジが頻繁に行われ（死者の行進から完全な停滞まで）、時間の流れすらかき乱されていきます。
そうして原形すらとどめなくなった精神に降り注ぐ、終曲「Black God」の絶望的なまでの美しさ。「そこにいるのはあなただけです」と宣言されたかのような、奇妙な心地よささえ感じます。
とまあそんな感じで、光のない耽美な世界に酔い痴れてみたい方は是非に。
全部貼りたいところだけど、適当に選んどきます
My Dying Bride 「Sear Me MCMXCIII」
時すら淀む黒白の世界へ。
My Dying Bride 「Your River」
My Dying Bride 「The Crown Of Sympathy」
My Dying Bride 「Black God」
自分が死ぬ瞬間にはこの曲を聴いていたい
2012-03-06 02:28
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コメント(4)
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憂鬱感に満ちたサウンドですね。
確かにレクイエムよう。
棺桶ムード一杯ですけど、私も若い頃はこういうサウンドが好きでしたけど、年をとってからは少々つらい。
憂鬱感というのは、若者である証拠ということじゃないかと思います。
したいことたくさんあるのに、それが一向に実現しない焦り。
そこから来る憂鬱だとしたら、私の年代のものから見るとそれは羨ましい限りです。
その憂鬱もっと、前向きに捉えるのがいいのかもしれませんよ。
by 老年蛇銘多親父 (2012-03-08 07:21)
＞老年蛇銘多親父様
このバンドはゴシックメタル勢の中でも圧倒的な暗さを誇ってますし、辛いという気持ちはわかります＾＾； かなりクるサウンドですから、自分も聴くときは選びますね。
したい事たくさんあるのに…という部分はたしかにありますね。やりたい事もやるべきことも山のように溜まってます。
かと言って暇な時間ができるとだらだらしてしまうのですが（何
この憂鬱あっての自分だと思ってるので、自然に消えるまでは手放さないつもりではいます。
by snowman (2012-03-09 02:33)
BauhausとかSistersとか、あるいはIndustrial系を主に聴いていて、メタル系は基本的にはパスなのですが、MDBはいいです。音楽は別に明るくなくてもよいのですよ。JS Bachの音楽は明るいですか？明るさと関係なく美しいですね。MDBも同じです。
by hy (2013-07-07 16:58)
＞hy様
ゴシックメタルを遡ってBauhausとかの方に行こうとしたこともあったのですが、行く前にポストロックやポストメタル界隈に興味が向いてしまい、結局行かずじまいです＾＾；
とはいえ興味のむく音楽は、明るいとは決して言えないものばかりなのですが…
by snowman (2013-07-08 15:10)