Linkin Park 「A Thousand Suns」 [レビュー(L)]

復帰。

Linkin Park「A Thousand Suns」

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Track List
1. The Requiem
2. The Radiance
3. Burning In The Skies
4. Empty Spaces
5. When They Come For Me
6. Robot Boy
7. Jornada Del Muerto
8. Waiting For The End
9. Blackout
10. Wretches And Kings
11. Wisdom, Justice, And Love
12. Iridescent
13. Fallout
14. The Catalyst
15. The Messenger
16. New Divide (Live)
*16.はボーナストラック

ミクスチャー・ラップメタルから始まったものの、もはや未知の領域に到達してしまったバンド、Linkin Parkの4th。2010年作。ちなみに当ブログの「2010年ベスト的な何か」では堂々の一位です。


3rdから四年近く待たされたところでのこのアルバム。それにふさわしく、問題作となった前作からさらに変化した、大問題作となっています。まず過去作と簡単に比較してみますと、
1st、2nd…全くの別物
3rd…部分的には通じるけどやっぱり別物
という感じです。


今作の特徴としてはまず、かなりコンセプトアルバム的な作りになっていることが挙げられます。アルバム全体はほとんど一つながりと言ってよく、ところどころに一分足らずのシークエンス的な曲が挟み込まれ、全体通して聴くと映画のような感覚が味わえます。
また、多くの曲で歌詞やメロディーのモチーフが反復して使われていたり、マーティン・ルーサー・キング等の演説が意味深な形で使われていたりします。このあたりは完全にプログレバンドのコンセプトアルバムの技法そのものでしょう。
ただ、では完全にコンセプトアルバムなのかと言うと、そこまで明確なストーリーではなく、リスナーの「想像の余地」はかなり広く取られています。

また、多種多様な音楽がアルバム中に盛り込まれているのもポイントです。もはやロックという枠すら取り払わないといけないくらいの勢いです。

あとボーカルなのですが、ラップじゃないマイクのボーカルの比重が増しています(前作は一曲だけだったかな)。これがまた驚くほどいい声なんです。
ともかくこれで、彼らが操れるボーカルはチェスターのシャウト、チェスターの普通ボーカル、マイクのラップ、マイクの普通ボーカルと四種類となりました。これはかなり大きなポイントでしょう。



ということで中身ですが、このアルバムは「一部だけ取り上げる」のがなかなか難しいので、久しぶりにほぼ全曲に触れていこうと思います。
1. The Requiem
女性によって切々と歌われる詞が印象的。この詞はThe Catalystでも登場します。

2. The Radiance
物理学者で「原爆の父」J. Robert Oppenheimer(ウィキペディア:ロバート・オッペンハイマー)による演説が使われているようです。
参考:Atomic Archive

3. Burning In The Skies
マイクとチェスターによって歌われるバラードチックな曲。かなり好きな曲。
この曲のサビの詞もかなり印象的。

5. When They Come For Me
ゴリゴリなギターにマイクのラップ。方向性は違うけど1st、2ndが好きな人は気に入るであろう曲。
後半はやたら壮大。

6. Robot Boy
変わった雰囲気の曲。何か癖になりそうな感じ。

7. Jornada Del Muerto
モチアゲテ、トキハナッテ…
これも後で出てくるな。

8. Waiting For The End
マイクとチェスターの絡みがいいです。
このアルバムでは二人の絡みは少ないので、それが好きな人にとっては結構きついのかも。

9. Blackout
チェスターシャウトキターーーーーー!!
てかほぼラップだよね^^;
ハーンさんも大暴れしてます。

10. Wretches And Kings
Free Speech Movement(自由言論運動)のリーダー、マリオ・サヴィオ(適当な日本語サイトが無かったのでリンクなし)のスピーチから始まる曲(スピーチはここに多分全文)。
この曲もアグレッシブで、1st、2ndが好きな人が好みそう。

11. Wisdom, Justice, And Love
アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(ウィキペディア:マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)の演説の一節。
参考:American Rhetoric

12. Iridescent
U2っぽい。らしい。U2知らない。

13. Fallout
Burning In The Skyのサビの詞がこんなところに。

14. The Catalyst
1stシングル曲。かっこいいです。
歌詞的にも今までの総集編ですね。

15. The Messenger
ギターのバッキングに乗ってチェスターが歌う。
やっぱチェスター歌うまいなぁ…


まぁ色々書きましたが、何故こんなに推すのかと言うと、すごく心の中に沁み渡ってくる感覚があるからなんです。すごい曲、かっこいい曲というものはたくさん聴いてるつもりですが、こういうのにはあまり出会えてないなぁと思いました。


Linkin Park「Burning In The Skies」

サビのどこか醒めたような雰囲気がなんかツボでした

Linkin Park「When They Come For Me」

なんか民族音楽みたいな感じ。

Linkin Park「Blackout」

チェスターシャウトも健在です。

Linkin Park「Iridescent」

そういえばこの曲はトランスフォーマーにも使われてるらしいです。
またか('A`)

Linkin Park「The Catalyst」

なんかサッカーとかに合いそうな曲だなと思った。
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老年蛇銘多親父

このアルバム以前にLinkin ParkのライブをTVで見たことがあったのですけど、この時は正直ピンとこなかった。

やはり、この作品以前は別物ということなのですね。

昨年、ログ友さんところで、このアルバムPVを見て、これはいけるかもと思い全曲聴きましたけど、テーマをアレンジを変えながら幾重にも聴かすトータルアルバム的手法や、プログレシッブロック的な印象の中にうまくラップ散りばめている等、このサウンドに親しみ易さとともに斬新さを感じました。


by 老年蛇銘多親父 (2011-08-06 11:06) 

snowman

>老年蛇銘多親父様
1st、2ndの音楽性には、彼ら自身も飽き(という言葉が適切かどうかわかりませんが)を感じていたようで、それが3rd、4thの大胆な舵きりに繋がったようです。自分は1st、2ndも大好きなのですが、そっちの路線には後継バンドもいっぱいいるので、どちらかと言うと今回みたいに未知の領域に突き進んでほしいなと思います(とはいえ1st、2nd的な曲も期待していたり^^;)。

音楽評論家風に言うと「昔ながらのプログレの方法論で現代的なポップス、ロック、ラップ、テクノを融合した」てな感じになるのでしょうか。非常に聴きやすい音をしているのに、考えれば考えるほど恐ろしく高度なことをやってのけているなと感じます。
by snowman (2011-08-11 23:47) 

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